新卒採用担当がみるデザイナーとしてのポテンシャルの広げ方

新卒採用担当がみるデザイナーとしてのポテンシャルの広げ方

2015.11.30
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ノウハウ

こんにちは、kskです。初めての記事なので最初に簡単な自己紹介をします。

僕自身はデザインに関わるお仕事を初めてから15年以上が経ち、WEBはもちろんのこと、紙やイベントブースのデザイン、プロダクトデザインまで幅広く携わってきました。

ドワンゴのデザインチームでは入社当初はニコニコ動画の担当をしていましたが、最近はマネージャーとして、デザイナーが働きやすい環境づくりや制度を考え実行したり、チームメンバーのサポート役に徹することが多いです。

デザイナーとして大切なこと

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さて突然ですが、長年デザインの仕事に関わっていて僕が感じている、デザイナーとして一番大切なこととはなんでしょうか。正確な絵を描けることでしょうか。それとも、独創的なUIを設計することでしょうか。はたまた、美しいコードを書くことでしょうか。

もちろん、これらを実現できるスキルを持つデザイナーは優れたデザイナーかもしれませんが、これらはすべて結果としてのアウトプットです。僕がデザイナーとして一番大切だと考えていて、かつ時間をかけて少しずつ蓄積していけることは、デザインに対するポテンシャルを広げておくことだと思っています。小手先のデザインスキルを身につけたとしても、この可能性を広げていた人とそうではない人との差は将来的に大きいと実感しています。

デザイナーとしてのポテンシャルとは

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僕は2016年度のデザイナー新卒採用の担当もしており、説明会の際に多くの学生さんと接しました。そして、その際に一番多かった質問が「デザイナーになるにはどんな勉強をしたらよいですか?」というものです。

正直に言ってしまうと、僕はPhotoshopやIllustratorの使い方、HTMLの書き方などに関しては、実務を通して実際に使いながら覚えました。どんなに机上で学習したとしても、ツールの使い方やテクニックに関しては、実戦に勝る勉強はないのです。なので、デザインツールの使い方やコーディング技術を若い時からひたすらに覚える必要はないのでは、と(極端に言ってしまえば)考えています。

それより僕がデザインの勉強として大事だと感じているのは、「引き出し」をどれだけ多く持っているかだと思っています。これがデザイナーでいうポテンシャルです。『◯◯みたいな雰囲気で…』と言われてぱっとイメージできるかどうかというのは大きなアドバンテージであり、デザイナーの幅なんだと思います。

ポテンシャルの広げ方

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では「引き出し」を増やす(ポテンシャルを広げる)ためには何をしたらいいのかというのを挙げてみます。特に珍しいものや特別なことはありません。

1.映像作品を見る

名作と言われるもの、ネタにされるもの、ベタなもの、マイナーなもの、過去に賞を獲った作品、B級と言われる作品、映画、アニメ、PV、CM…なんでも構いません。1度見たものでも2回め3回めは新たな発見があると思います。
『ブレードランナーの傘』『トロンのバイク』『レイダースの大玉』『マトリックスのバレットタイム』『リベリオンのガン=カタ』等など、ネタとしてよく出されるものも実際に見ると、前後の文脈やストーリーを含めて楽しめます。それが初見の作品ならば、◯◯の元ネタはこの映画なのか!と気づくことがあるかもしれません。マンガの神様こと手塚治虫も1年で365本の映画を観ていたといいます。

2.美術館や博物館をめぐる

美術館で見ることのできる作品は、表現手法や色彩感覚に刺激を与えてくれます。博物館で見ることのできる、ものの成り立ちや内部の構造・ルーツなどは考えに奥行きを与えてくれます。いずれも、「ただ知っている」だけよりも実際に目にし、手でふれることが大切です。

3.音楽を聴く

一見デザインには関係なさそうですが、音楽とアート・デザインは密接な関係があります。ジャンルや時代を問わずいろいろな音楽を聴き、その音楽の背景や文化などに触れてみましょう。そのアーティストが影響を受けた音楽のルーツを追っていくのも面白いです。

4.旅行に行く

国内・海外は問いません。距離の遠近もあまり関係はありません。写真やストリートビューで見ることのできる風景と、実際にその場に立って感じる空気感・質感は別物で、情報量が桁違いです。旅行先で普段はしない体験やアクティビティに挑戦するのも、新しい感覚を手に入れることができるかもしれません。

5.いつもと違ったやり方でものを作る

僕は普段は実体のないWebやアプリのデザインに携わることが多いですが、ものづくりができるワークショップなどに参加して手触りのあるものを作ってみると、普段とは違った喜びや感覚を味わうことができます。どのようなものでも、それが形を成していく過程を経験すると、自身の作るものにもよい影響があるでしょう。

「引き出し」に入れるということ

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上記にあげたものは日常に転がっているありふれた行為ですが、ただ漫然と経験を消費するのではなく、きちんと観察したり、疑問をもって考察してみることで経験に深みが出て、単純な知識としての情報ではなく「引き出し」の中に入ります。

「引き出し」への入れ方は千差万別、万人に向けられる『これ』といったやり方はありません。みなさんの机の引き出しの中も、整理されている人、雑然としている(けど本人はすぐにものを見つけられる)人、様々だと思います。何度も体験してみる、メモを取って分析してみる、友だちと感想を話し合う、Webや雑誌で評論を見る、SNSやブログを使って意見を発信する…いろいろなやり方が考えられます。自分にあったやりかたを見つけましょう。別な言葉で言い替えるならば『腑に落とす』ことができれば手段はなんでも構いません。

もともと興味のあったものや好きなものは、なにも意識せずに勝手に「引き出し」にストックされているでしょう。中身を増やしていくには、興味のないものにどれだけ興味を持ち、自分に関係のなさそうなものにどれだけ関連性を見いだすことができるか、がスタートです。

まとめ

なにごとも勉強!と片意地を張ってものを見聞きしてほしいわけではなく、その体験を楽しみながらこれらのことが自然にでき「引き出し」を多くすることがデザイナーの価値に直接つながる大事な要素だと考えています。ものを知らないデザイナー…というのは説得力に欠けてしまいますよね。僕自身もより「引き出し」に幅をもてるよう、日々面白いことを探しています。

 

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この記事を書いたメンバー

ksk

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Design Manager

デザインコミュニケーション室 デザインコミュニケーションセクションマネージャー。教育フローのプランニング、プロダクト開発初期段階でのデザイン投入、デザインガイドライン、開発後のユーザーテストを含めた品質保証など制作工程のスキームづくりを担当。

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