【DWANGO USABILITY LAB.誕生】新しいデザイン制作の枠組みへの挑戦

【DWANGO USABILITY LAB.誕生】新しいデザイン制作の枠組みへの挑戦

2015.12.9
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ノウハウ

こんにちわ。ドワンゴ鈴木慎之介です。

前回は、私の自己紹介とデザイナーの全体的な取り組みについてお伝えしました。

その中で、プロダクトの使い心地の向上について触れましたが、今回は後編ということで、「きもちよく使ってもらうためのデザイン」のために特に取り組んでいることをお伝えしたいと思います。

昨今、ユーザーがプロダクトの使い勝手を体感し、改善結果をプロダクトにフィードバックする方法として、ユーザーテストが行われていることが多いかと思います。そのため、ユーザーがサービスをどのように利用しているかをモニターし、プロダクトに活かす設備があったほうがより効果的と言われており、ユーザーテストを実施できる設備をレンタルする企業や、自社で設ける動きが加速化していることは皆様もご存知かと思います。

ドワンゴはどうかというと、実はほかならぬ私がその部屋を一番欲しておりました。そして、デザイナーを統合したタイミングでテストルームの構築を考え、「DWANGO USABILITY LAB.」という名前で2015年夏より設置し運用しております。今回は、その設備とユーザーテストについての考え方を紹介をしたいと思います。

設備全体について

DWANGO USABILITY LAB.には大きく2つの機能をもった部屋が存在します。

テストルーム

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ユーザーが実際にサービスをテストする場所です。普段サービスを使ってる状態を再現するために、部屋をリビングのような造りにしています。テストをしてる方が緊張してしまうと、普段と違う動きをしてしまうのでリラックスできる環境を用意しています。

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ちなみにここが控え室です。ユーザーテストをする場合は複数名でテストすることが多いのと、社外からいらっしゃる方もいるので、待って頂けるスペースも用意しています。雑誌や軽食もご用意していますので、快適にユーザーテストまでの時間を過ごせるのではないじゃないでしょうか。

モニタリングルーム

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ここがモニタリングルームです。設備については後ほど紹介しますが、遠隔にあるカメラでユーザーテストを観察します。モニターは2画面用意してあり、テストルームに設置したカメラを操作して、どの映像にフォーカスをあてるかなどの設定もできます。

このモニタリングルーム、デザイナーが作業する部屋の中にあるのも特徴です。自分の案件ではなくても、会議に参加可能なので新しい発見ができたりします。無意識にデザイナーが横断的にサービスを知るきっかけをつくる役割も果たしているのです。

機材紹介

テストルームの中には色々な備品があり、様々なプロジェクトに対応できるようにしています。カメラを中心にその一部を紹介していきます。

HDインテグレーテッドカメラ

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モニタリングルームから操作が可能なカメラで、天井にあるのにも関わらず手元まで鮮明に移すことができる高性能カメラです。

GoPro

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言わずと知れた機動性の高いカメラ。2台のGoProを好きなように設定することによって、様々な角度からユーザーテストを行うことができます。

テスト端末用HDMIアダプタ

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  • テスト端末用HDMIアダプタ(Windows) VGA to HDMI
  • テスト端末用HDMIアダプタ(Mac) Mini Displayport to HDMI
  • テスト端末用HDMIアダプタ(iOS) Lightning to HDMI
  • テスト端末用HDMIアダプタ(Android)MHL to HDMI

様々な端末に対応することができます。またテレビもあるので、コンシューマーゲームデバイスなどの検証もでき、ドワンゴの様々なサービスに対応できるよう環境整備に配慮しました。

現状の課題と新しいアプローチ

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DWANGO USABILITY LAB.の紹介についてざっとご説明しましたが、最後にこの施設をつくった意図とユーザーテストに対する私の認識について改めてお伝えします。

現状のプロジェクト制作のプロセスは、プロジェクトオーナーの頭のなかにある成功イメージとユーザー像をもとにメンバーが制作していくということが多く、本来のユーザーに寄り添ったデザインというのが制作過程の中で抜けていく傾向がありました。

リリース時期が近々のプロジェクトであったり、斬新なUI/UXを軸としたプロジェクトであればそれでいいのですが、プロジェクトが長期化するとメンバーがプロジェクトオーナーしか見えなくなり、その先のユーザーが見えなくなるということがあります。そして、その結果、制作したものが「ユーザーが使いたいもの」ではなく、「運営が作りたいもの」にすりかわってしまい、使われなくなることが往々にして起きてしまうかと思います。

そこでDWANGO USABILITY LAB.を使い、”こまめ”にユーザー行動を観察することで、デザインを「ユーザーが使いたいもの」にしていくというアプローチをしていきます。どんなに考えぬかれたユーザー行動の想像や想定も、ユーザー行動そのものを観察することに比べたら、それは机上の空論でしかありません。ユーザーしか知り得ない行動そのものを見てプロダクトを制作することで、今後はよりユーザーの立場に寄ったデザインができるのではないかと考えています。

ただ注意したいのが、我々はユーザーテストの結果を鵜呑みにしたプロダクト開発はしない、ということです。昨今言われているUCD(ユーザー中心設計)は重要な考え方ですが、ユーザーが受ける体験は当然に個人差があるものであり、個々人違う意見を全て聞いていては、そもそも我々が本当に提供したい体験や価値が薄れてしまい、軸がぶれてしまいます。従って、我々が与えたい体験、ユーザーが良いと思う体験、この2点の「丁度いいところ」を探りあてた上で伝えることがドワンゴ流のユーザーテスト、と私は考えております。

私が伝えたいことを前後半に分けてお届けしました。気が向いたらそのうち何かをお伝えしたいと思います。

まだまだ始まったばかりですが、デザイナーが一丸となってユーザーにとっていいものを作っていきますので引き続きよろしくお願いします。

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この記事を書いたメンバー

shinno

shinno

Former General Manager

鈴木慎之介, マルチデバイス企画開発部長, デザイン戦略室長(先代)。2016年9月まで、ドワンゴデザイナー組織の統括、及び次世代プロダクト開発手法及びユーザーテストの研究、コーポレートクリエイティブを監修。いまでも心はデザイナー。

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