多様化する世界だからこそペルソナを作る

多様化する世界だからこそペルソナを作る

2016.04.5
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ノウハウ

こんにちは、ケチーノです。
普段は、ニコニコ生放送のデザインに携わりつつ、ドワンゴでの新しいデザイン制作の枠組みの推進を行っています。

先日、社内のデザインを評価する会で、こんな一幕がありました。

  • Aさん「ユーザーに必要なのはこんな情報です。」
  • Bさん「いや、ユーザーはこんな情報見てないと思います。こっちの情報の方が重要です。」
  • Cさん「こんな風に演出すればどっちの情報も見れると思います。」
  • デザイナー「…」

心の中で補足してみました。

  • Aさん「(私をはじめとした)ユーザーに必要なのはこんな情報です。」
  • Bさん「いや、(私が想定する)ユーザーはこんな情報見てないと思います。こっちの方が重要です。」
  • Cさん「こんな風に演出すればどっちの情報も見れると思います。(みんなが言う事を取り入れるナイスアイデア(ドヤァ」
  • デザイナー「…死ねばいいのに」

ハッ! 心に闇が…んふぅうううっ、ふむぅうっぅ…

そしてデザイナーは心に闇を取り込んで「全てのユーザーが満足するデザインを作る」旅に出るのであった。



さて現在、ドワンゴのデザイナーは大きく2つ「最初から入る」「早く形にする」に取り組んでいる途上です。

  • 「最初っから入る」は、上流工程にデザイナーが加わっていくこと
  • 「早く形にする」は、評価できる何かを手早く作って逐次評価しながら形にしていくこと

なぜそのようなスタンスなのかは @shinno の エンジニア出身の僕がドワンゴでデザインしている理由 をご覧ください。

今日は、「最初っから入る」のところで、具体的にやっているペルソナ作成について紹介します。

「ペルソナ/シナリオ法」は、システムを作る際にユーザーの機能的な手順から考え始める事が多いけど、その「ユーザー」とは誰なのか?その「ユーザー」が本質的に求めているものは何か?それを可能とするモノ・コトは何か?から考え始める手法です。そして「ペルソナ」とはユーザーを代表する人物像のモデルの事です。

なぜペルソナが必要なの?一番得られるメリットは「認識あわせ」

「ペルソナ」が無いチームでは「ユーザー」というふわっとした言葉でプロジェクトが進みます。
メンバーそれぞれが頭の中で思い描く「ユーザー」なので、具体的な人物像がみんな違います。

また、言葉で「ターゲットユーザーはゲーム好きで20代の男の子」のように伝えたとしても、どんなゲームが好き?大学生?社会人?独身?などイメージがブレる要素が多く、言葉の理解の違いにもぶち当たって面倒くさくなります。

そして結局は「ターゲットユーザー像」がクローズドな「サービスオーナーの頭の中」に閉じ込められる事になり、「テレパシーを持った特殊能力者(側近)」しか理解できないまま進める事になります。

この特殊能力者のテレパシー力が低能力だった場合、「サービスオーナーの頭の中」という体が複数生じることとなり、より複雑度を増してチームメンバーに降りかかります。

今のところ高性能なテレパシーを持った人間はあまりいないと思うので、このような状況でチームメンバーに情報が落ちてくるときにはだいたい複雑な背景があると認識しましょう。

この問題を解決する一つの手段として「ペルソナ」を作成します。

「ペルソナ」という形が作られる事で「頭の中にあるユーザー像」のすり合わせがしやすくなり、テレパシーの性能に頼らなくても確かな伝達が可能になるのが大きなメリットです。

ペルソナのモデリング

性別、年齢、居住地、ニコニコ歴のような定量的なデータから始まり、生い立ち、現在の生活、趣味、価値観、性格、欲望など、定性的な特徴を付与し、「あぁこんな人いるよ」「なんか友達に似てる」というような人物像を作っていきます。
この時にサービスオーナー+チームメンバー全員参加で作ることが望ましいです。(作成過程も共有する事でより理解が深まります。)

それでは今回、ニコニコ生放送の視聴者ペルソナをフィクションで作成してみようと思います。

ターゲットを設定します。

今回は、こんなターゲットでいきます。

  • プロ野球ファン
  • ゲーム実況ファン
  • 生主ファン

こんなフォーマットから始めてみます。

最初のフォーマット

サーバーログなどの定量的数値を元に埋めていく

定量数値でプロフィール埋めた

ユーザーへ向けたアンケートを実施しさらにデータを収集する。

ユーザーアンケート実施

ユーザーアンケート

アンケート結果を元にさらに埋めていく

アンケートを元に持ち物や趣味など埋めた

観察調査を実施しより深くさぐってみる

ユーザーテスト
ここまでのペルソナに近しい人にユーザーテストを実施し、サービスに触れる時に何を意識しているか?目的を達成するために欲しているものは何か?を探ります。

「顔」と「キャッチコピー(レッテル)」を作る

ここまでで、ペルソナに関するデータがかなり集まり良いものができました。
しかし、テキストだけなので全部読まなきゃいけないし、一見しただけではアタマの中に入ってこない気がします。

小説に挿絵があるように、キャラのビジュアルと人物紹介文を追加しよう

人物を特定してしまうような写真だと「ペルソナ」がその人物を意識しすぎたものになるので本意じゃないと思います。また、素材写真のようなものだと、当たり前ですがモデルさんなので悪い意味で綺麗すぎる。絵を描くのが「ペルソナ」を見る人の想像力も働くし一番良いと思うのですが、絵心無いとキツイ。

ということで、誰でも簡単にできるアバター作成アプリを利用します。スマホアプリだと空き時間にちょいちょいっと作れちゃうので便利ですよ。
ここでは「MINE – A PORTRAIT MAKER」という iOS アプリを使ってみようと思います。

アバター色々作ってみた

人物紹介文も追加します。

サービスを使う動機への繋がりがわかりやすくなるものをつけます。

完成

完成図
※このペルソナはフィクションです。実際のモノとは違います。



  • Aさん「(私をはじめとした)ユーザーに必要なのはこんな情報です。」
  • Bさん「いや、(私が想定する)ユーザーはこんな情報見てないと思います。こっちの方が重要です。」
  • Cさん「こんな風に演出すればどっちの情報も見れると思います。(みんなが言う事を取り入れるナイスアイデア(ドヤァ」
  • デザイナー「みんながイメージするユーザーの話しから始めようか(どや」

ということで今日は「ペルソナ」作成について紹介しました。

認識違いから起こる不毛な争いがなくなりますように。(-人-)

それでは。

 

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この記事を書いたメンバー

ケチーノ

ケチーノ

Designer

ニコ生デザイナー。ギター弾いてたつもりが気がついたらWebデザイナーとして生きてた、弦楽器と酒しか愛さないアラフォー

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