デザイナーじゃなくても知っておきたい『文字詰め』のこと

デザイナーじゃなくても知っておきたい『文字詰め』のこと

2016.03.31
文字詰めのこと
ノウハウ

こんにちは。なかやんです。

私たちは日常生活のいろいろな場面で文字を目にしますが、今回はそんな文字をレイアウトするときに必要な『文字詰め(カーニング)』について、デザイナー視点でのエピソードを交えて記事にしてみました。

『文字詰め』についてよく知らなかった人も、これを読めばいろいろなところで文字詰めがされていることに気がつきます。制作など依頼している方は、デザイナーとのやりとりがスムーズになるかもしれません。

目に入ってくる文字のバランスがとても気になる・・!

はじめに『文字詰め』に関して簡単に説明すると、『隣り合う2つの文字間を調整する作業』といった感じになります。

例えば、テキストを入力したときに密度に差がある漢字とひらがなでは空白に差がでるため、違和感のないように文字間を調整したりしています。そのため制作物の中にテキスト要素がある場合は、必ずといっていいほど『文字詰め』の作業が必要になります。

・・そんな『文字詰め』作業ですが、何年もしていると普段の生活の中で目に入ってきた文字のバランスなどが気になってしまうようになりました。
いわゆる『職業病』みたいなものだと思います。

photo_01

例えば上の写真ですが、どのように見えるでしょうか?

実はこの写真は弊社のトイレに貼ってあるシールなのですが、トイレに行く度に目に入ってくるため、文字のバランスがしょっちゅう気になってしまいます。

photo_02

文字と文字のスペースに色を入れてみました。
頭の中で、こんな風に色がついて見えるわけではありませんが、スペースが狭いところは文字が詰まって見えたり、逆に全体に比べてスペースが広いところは間延びして見えるように感じます。

「うわっ…この人神経質…?」と思われるかもしれませんが、普段はどちらかというと大雑把と言われるほうで・・(T ^ T)
ただ、こういうのは気になってしまうんです。

photo_03

ひとまず「自分が」気にならない程度まで頑張って修正してみました。

・・ちょっとスッキリしました。

なぜ『文字詰め』が大切なのか?

先ほどの写真では文字詰めを怠ってしまった例を出しましたが、特に気にならなかった方もいるかと思います。ただ、これがもっと文字が詰まっていたり、文字と文字との間が広がっていたとしたらどうでしょうか?きっと読みにくいなと感じる人がだんだんと増えてくるでしょう。

そのため、『文字詰め』は地味な作業ではありますが、欠かすことのできない作業工程の一つになります。読みにくく感じる基準は人によって異なりますが、多くの人が目にする制作物ではできる限りの人が読みやいと感じてもらう必要があります。文字を調整して読みやすくしておくことで、読み手側が、よりスッと頭の中に入ってくるような効果が期待できるからです。

また同時に、このスキルを磨いていくことで、タイポグラフィに着目した制作物をより洗練したデザインに仕上げることができるようになるでしょう。

作業工程で気をつけている3つのポイント

さて、ここまで制作物には『文字詰め』という作業があり『ただ文字を打っているだけではないんだな』ということがなんとなくおわかりいただけたかと思います。

ではそれをふまえてここでは、そんな『文字詰め』に関して、作業工程の観点からみた私なりの気をつけているポイントを3つあげてみました。

  • 1、文字詰めするタイミングを考えておく
  • 2、文字が仮なのか(修正が入りそうなのか)を確認しておく
  • 3、なるべく妥協はしない。

1、文字詰めするタイミングを考えておく

制作に取り掛かる時に文字詰めするタイミングを考えておきます。タイミングを間違えると一からやり直ししたり、無駄な作業になる可能性があるため、私の場合はラフの段階ではざっと体裁を整える程度にとどめておき、ラフがFIXしてから細かい文字詰めを行うことが多いです。その際、ラフのFIX後に文字間を調整する旨を一言伝えておくと見る側も安心です。例外として、キャッチコピーなどのテキストがメインのデザインやコンペなどでは序盤から『文字詰め』を行ったりもします。どういった制作物か、誰がチェックするのか?テキストの量や位置、その時の状況などによってその都度タイミングを決めています。

2、文字が仮なのか(修正が入りそうなのか)を確認しておく

テキスト要素をいただいたときに一見ちゃんとした内容に見えても、実は仮の文章だったなんてこともしばしばあります。先ほどの【気をつけているポイント1】であった文字詰めのタイミングをずらしておくことで無駄な修正は少なくなりますが、そもそも仮の文章ならば、ざっと体裁を整える作業も無駄になってしまうため、依頼者から情報を確認してお互い共有しておくことが大切です。

3、なるべく妥協はしない。

『文字詰め』の合格ラインの基準はデザイナーそれぞれにあるため、人によって変わってきます。自分がOKと思って制作したものでも、デザイナーのボスがNGを出せば、再調整が必要になります。

逆にクライアントのみのチェックの場合は、デザイナー本人が妥協してしまうとそのままスルスルとFIXまで向かってしまうこともあるので注意しておきましょう。

仮に制作したものを100人の人が見るとしたら、できる限り多くの人が綺麗だと感じてもらえることがデザイナーとしてのこだわりなんじゃないかと思います。

・・と、なんだか偉そうなことをいっていますが、こだわりすぎて納期が遅れてしまっては本末転倒ですので、案件や状況によっては100点満点を目指すのではなく、及第点くらいで妥協して臨機応変に対応することも必要だと思っています。

おわりに

ここまでで『文字詰め』に関して、少し理解を深めていただくことはできましたでしょうか?

駅にあるポスターなどに目を向けていただくと、綺麗に文字詰めされていることに気づいていただけるかもしれません。

制作などを依頼している方であれば、「あれ?文字の修正だけなのに時間がかかるなー」といった場面に遭遇するかもしれませんが、もしかするとその時は文字のバランスや文字詰めをやり直しているのかもしれません。

今後デザイナーに作業を依頼する機会がありましたら、『文字詰め』といった作業があることを思い出していただければとても嬉しい限りです。

 

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この記事を書いたメンバー

なかやん

なかやん

Designer

一人旅が趣味です。感性が磨かれるようなスポットを見つけた時は張り切ってレポートいたします。

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